潮騒荘 鬼板製作
(2017年 竣工)
受注形式 | 木工事(発注:㈱久門スチールワークマン社) |
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施工場所 | 徳島県鳴門市 |
製薬会社の迎賓館・保養所の屋根葺き替え工事(銅板からチタンに葺き替え)に伴う鬼板の新調工事に携わらせていただきました。幅2.4m、高さ1.8mの大きな鬼板です。経の巻(獅子口)という型の鬼板を木下地で造り、銅板で包みました。驚かされたのは50年前の古い鬼板で鳴門海峡に面し、長年の雨風に晒され続けたにもかかわらず芯木の木部は腐朽することなく、健全な状態で保たれていたことです。当時の職人技術と木の耐久性に感服しました。
しかしながら今回は「新調」ということでしたので建築当初の匠たちに謹んでお詫びをしたのち、新しい材料、工法で製作させていただきました。鬼板に使う銅板は0.6㎜と厚いので、加工は「たたき」、「しぼり」、「ハゼ折り」などに高い技術が求められます。現代の板金工は見事にその力量を示してくれました。
木の鬼板を銅板で包み終えた後、屋根のチタン色に合わせて鬼板を塗装しております。先人の50年を超えて100年以上耐え続けてくれると思います。